白糠のアイヌ民族

アイヌ民族

アイヌ民族は、かつて北海道を中心にサハリン、千島列島、本州北部など、広い地域に暮らし、山海の豊かな恵みを糧に、周辺の諸民族との交流を通じて、独自の文化を育みました。
アイヌ文化は、1400年ごろに成立したと言われています。その後、19世紀の中頃、日本の近代化とともに、北海道への本格的な入植が始まると、アイヌ民族に対する同化政策がとられました。日本風の姓名や日本語の使用の強制などによって、民族のアイデンティティは失われていきました。
しかし、こうした中でも、アイヌの精神、知恵や文化は受け継がれ、現在、アイヌ文化の復興や新たな活動の動きが始まっています。

photo

白糠のアイヌ民族

北海道の東部に位置する白糠町は、人口およそ8000人の町。豊かな水産漁場を持ち、太平洋から獲れる鮭、かに、たこ、ししゃもなど、北海道を代表する魚介類が水揚げされます。
白糠町の名はアイヌ語の「シラリカ(岩磯のほとり)」を起源としているとおり、町内には「ショロ」「パシクル」など、アイヌ語に由来する地名が多く、また、チャシ跡などの遺跡に加え、それらの場所に関わる伝説も数多く残されています。これらの貴重な財産を守り伝えるためにも、白糠町では、先住者として礎を築いたアイヌ民族とその後の来住者とともに、町全体がイオルであるという考えのもと、町づくりが進められています。

photo